EO Member Interview Series
# EO活用 # 委員・理事 # 上場

場を「提供する側」に回る。それがEOを使い倒す極意。

当時最年少の28歳でEOに入会、34歳でマザーズ上場、37歳でEO Tokyo会長。その後もEO Platinumを立ち上げ、3期目の会長を務める。EO歴17年で理事6期、会長を2回。場をつくり続けてきた起業家が語る、ギブが何倍にもなって返ってくるEOの使い方。

こばちゃん
Interviewee
小林 泰士(こばちゃん)
株式会社マーケットエンタープライズ 代表取締役
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トディ
Interviewer
戸田 志穂(トディ)
株式会社SKY PHILOSOPHY 代表
小林 泰士
左から 井澤 岳志、小林 泰士氏、戸田 志穂
左から 井澤 岳志、小林 泰士氏、戸田 志穂
01
ENCOUNTER
「そんな時間はない」と思っていた。入口は、質の高いラーニング。
トディ
トディ
小林さんがEOに入会されたのは、いつ頃ですか?
こばちゃん
こばちゃん
創業3年目から4年目の頃です。売上がちょうど1億円を超えて、ここから会社を一気に成長させるために、とにかく大量のインプットがほしかった。ただ、当時は自分自身がプレイヤーでもあるので、本当に時間が捻出できなくて。正直に言えば「フォーラムやリトリートに参加するのは面倒だな、そんな時間はない」と思っていました。
トディ
トディ
会社設立から3年目というと、ネット型リユースの事業が立ち上がり始めた頃でしょうか?
こばちゃん
こばちゃん
そうですね。独立してからの2年間は、電子部品のEコマースや、フリーマーケットの全国展開などの事業を手がけていました。それらが軌道に乗り始め、ピボットして展開したネット型リユース事業を本格化させたのが、ちょうどその頃です。ネットリユースに手応えを感じ始めたタイミングで、EOに入会しました。
トディ
トディ
事業の転換期だったのですね。フォーラムには懐疑的だったとのことですが、最初はどのようにEOを活用されたのですか?
こばちゃん
こばちゃん
最初にハマったのは、分かりやすく「ラーニング」でした。先輩起業家が、経験シェアとして、他の場所では聞けないような体験談を惜しみなく話してくれる。そんな機会に恵まれました。学びの質が高く、とても刺激的でしたし、すぐに行動へ移せる内容も多かったです。
トディ
トディ
ラーニングには、頻繁に参加されていたのですか?
こばちゃん
こばちゃん
相当な数に参加しました。通常のラーニングに参加するだけでなく、ラーニング委員になり、話を聞きたい方に講師をお願いするといったことも進めました。
02
GIVE
役職を引き受けるほど、「返報性の法則」が強く働く。
トディ
トディ
役職は、委員会のメンバーからスタートされたのですか?
こばちゃん
こばちゃん
はい。一委員から始めて、理事を6期、そして会長も2度務めました。
トディ
トディ
理事を6期、そして会長まで。大変な貢献ですね。
こばちゃん
こばちゃん
いろいろな役割をさせてもらいました。
ネオキャリアの西澤氏が会長の年には、メンバーシップの理事に任命されました。成長企業の若い経営者をスカウトして、EOに引き込んでいく役割です。翌年、ビットアイル(当時)の寺田氏(現:寺田倉庫)が会長になった年にはラーニング理事に移り、質の高い学びを提供するという役割を経験しました。
理事以外でも、ユナイトアンドグロウの須田氏と一緒に、上場を目指す起業家向けの「上場準備フォーラム」を立ち上げました。監査法人とすでに契約を結んでいる起業家だけが参加し、上場に向けて情報交換をしたり、先輩上場企業の社長を招いて経験談から実務を学んだりする場です。
トディ
トディ
反響はいかがでしたか?
こばちゃん
こばちゃん
メンバーが次々と上場したこともあり、意欲的な起業家がたくさん集まって、入会待ちが出るほど人気のあるMY EOフォーラムになりました。そこから、自分たちで立ち上げた上場準備フォーラムだけでなく、派生したフォーラムも次々に生まれていきました。
さらに、40歳未満で「売上20億円以上」「営業利益2億円以上」「上場承認済み」のいずれかを満たすメンバーを集めた「GEO」というグループも企画しました。合計15名ほどだったと思いますが、レバレジーズの岩槻氏、アイモバイルの田中氏、I-neの大西氏など、同世代でも早くから活躍している起業家と、お互い切磋琢磨し刺激を受け合っていました。
トディ
トディ
自ら新しい仕組みやコミュニティをつくって、EOに貢献されてきたのですね。
こばちゃん
こばちゃん
EOは、成長志向の起業家が集まる場です。委員や理事、会長といった役割を通じて、他の起業家の刺激や学びにつながるGIVEを提供すると、「返報性の法則」が強く働くコミュニティだと感じています。貢献すればするほど、学びや人脈、信頼となって、自分に何倍にもなって返ってくる。そういう構造になっていると、私は感じています。

貢献すればするほど、
何倍にもなって返ってくる。

03
MIDDLE
創業社長が「中間管理職」を経験できる、唯一の場所。
トディ
トディ
理事を務めることで、具体的にどんなメリットがありましたか?
こばちゃん
こばちゃん
大きな学びだったのは、「中間管理職」を経験できることです。創業社長である起業家は、普段は自社で最終意思決定をしている。ところがEOの理事になると、上に会長がいます。
その会長も、ワンマンでトップダウン型の人もいれば、調整をしながら進める合意形成型の人もいます。会長のもとで、それぞれのリーダーシップのあり方を感じながら、中間管理職として役割を全うする。起業家として未熟な頃に、様々な方のマネジメントスタイルを身をもって経験できたことは、かけがえのない財産になりました。
04
BATON
熱量、チームビルディング、ガバナンス。会長のバトンで文化が磨かれた。
トディ
トディ
上場の際、EOの仲間の反応はいかがでしたか?
こばちゃん
こばちゃん
当時はまだ上場企業もそれほど多くありませんでしたし、上場のタイミングが比較的早かったこともあって、YEO(当時は40歳未満の若手コミュニティ)の仲間や先輩方に集まっていただき、それぞれ盛大にお祝いしてくれました。時代もあって、豪快で忘れられない思い出になりました。
トディ
トディ
その後、会長に就任されます。どんなバトンを受けましたか。
こばちゃん
こばちゃん
EO Tokyo、現在のセントラルで、第23期の会長を務めました。今から8年ほど前です。36歳で副会長、37歳で会長、38歳で次の代へ引き継ぎました。
副会長のときの会長が、SHIFTの丹下氏です。丹下さんとは上場時期も近く、本当に密度の濃い時間を一緒に過ごしました。プレジデントMTGで中国の広州に行ったり、ドイツのフランクフルトまでグローバルイベントに一緒に参加したり。丹下さんは、部下をとても楽しませてくれるカリスマ性の持ち主です。そのマネジメントスタイルのもとで、副会長として支えながら毎月の理事会を運営するのは、とてもエキサイティングでした。
トディ
トディ
ご自身が会長を務めた年は、どんな運営をされたのですか? その後は?
こばちゃん
こばちゃん
私の代ではチームビルディングを重視して、仲間と一緒に、集団で高い成果を出していく形をつくりました。「Maximizing」というEOの価値を最大化しようというテーマを掲げ、過去最多のラーニング、過去最多のスポンサーなど、いろいろと進めました。また、全国の各チャプターとつながる、現在も続くFacebookグループ「EO All Japan」を立ち上げ、全国合同運動会も初めて実施しました。
続くメディアドゥの藤田氏の代では、拡大に合わせて、ガバナンスの効いた組織運営へと進化していきます。まさに、企業が拡大したタイミングでどう企業統治をしていくか。統括理事を初めて組成しながら、歩みが進んでいきました。同様にオーストラリアのシドニーまでプレジデントMTGに参加し、グローバルイベントではカナダのトロントにも、一緒に行きました。
会長のバトンを受け、理事会を組成して毎月の運営にあたり、運営を引き渡していく。会長を経験することで自分自身のマネジメントスタイルを改めて理解する機会にもなりましたし、グローバルイベントにTOKYOの会長として参加することも、起業家人生の中で視座をぐっと引き上げてくれる、とても大きな機会となりました。
05
NETWORK
全国へ、世界へ。広がった関係人口が、そのまま事業を押し上げた。
トディ
トディ
会長を務めたことで、つながりはどう広がりましたか?
こばちゃん
こばちゃん
国内外のイベントに参加する機会がとても多くなりましたので、全国、そして世界で関係する起業家が増え、地域を超えた交流が一気に増えました。
こうして広がった関係は、仕事につながったことも多々あります。弊社も国内外20か所に事業所がありますが、自社の全国展開や海外進出にもつながりました。一例ですが、ベトナムのホーチミンでシステム会社を設立したときも、EOメンバーの現地拠点やノウハウを頼りました。
トディ
トディ
EOでの経験を、自社の経営に取り入れたこともありますか?
こばちゃん
こばちゃん
たくさんあります。社内表彰制度、キックオフイベント、社内運動会、研修プログラム。EOで体験した施策を、積極的に自社に移植しました。実際に体験していたからこそ、先進的なカルチャーを迷わず導入できたのだと思います。
06
CRISIS
孤独な重圧を救ったのは、仲間の本音だった。
トディ
トディ
ここまで伺うと、非常に順調で華々しい歩みに見えます。逆に、足踏みした「暗黒期」はありましたか? そのとき、EOのノウハウや仲間が助けになったことは?
こばちゃん
こばちゃん
もちろんありました。外からは右肩上がりのきれいな成長曲線に見えるかもしれませんが、想定外のトラブルが重なった時期もあり、さまざまな理由で下方修正を出してしまったこともあります。
上場企業にはインサイダー取引規制があるので、開示前の情報は、社内にも社外にも軽々しく話せません。株主総会や決算発表での厳しい追及、さまざまな重圧を抱え込むことになります。
もちろんインサイダー情報には触れられませんが、そんなときも、EOの上場企業フォーラムなどで、同じ修羅場をくぐり抜けてきた先輩や同世代の経営者と本音で語り合えたことに、何度も救われました。それぞれ責任ある起業家が、たくさんの成功や失敗を日々経験しているので、経験シェアを通じて選択肢が増えていく。これは何物にも代えがたい価値です。
トディ
トディ
表からは見えない葛藤と試練を、乗り越えてこられたのですね。もしEOに入会していなかったら、小林さんの経営や人生はどうなっていたと思われますか?
こばちゃん
こばちゃん
もちろん、起業家、経営者としては走っていると思います。ただEOでは、経営者として本音で語り合える一生の友人が、たくさんできました。多大なる影響を受けたので、ちょっと想像ができないですね。
07
MESSAGE
役職がなければ、場を自分でつくればいい。
トディ
トディ
これからEOを活用する後輩経営者に、一つだけアドバイスを送るとしたら?
こばちゃん
こばちゃん
EOは、何かやってもらうのではなく、互助の会です。「とにかく自分から役職を引き受けること」。委員でも理事でもいい。もし自分のチャプターの役職枠が埋まっているなら、ダブルチャプター制度を使って他のチャプターの理事をやってもいいし、上場準備フォーラムや女性起業家のコミュニティのように、MY EOを自分で立ち上げてもいいと思います。
自分が求めるテーマや情報が集まる場を、自らつくる側に回る。それこそが、起業家同士の関係が深くなり、結果としてEOをいちばん深いところまで使い倒す極意だと思います。

場を「つくる側」に回ることこそ、
EOを使い倒す極意。

トディ
トディ
最後に、小林さんにとって、EOとは?
こばちゃん
こばちゃん
かけがえのないコミュニティですね。
先輩経営者から学び、同世代と切磋琢磨し、後輩から刺激をもらい続けてきました。
トディ
トディ
参加者にとどまらず、「場をつくる側」に回り続けてきたからこそ、EOの本当の価値を受け取ってこられたのですね。
Interview Profiles

登場人物紹介

こばちゃん
Interviewee · こばちゃん
小林 泰士
株式会社マーケットエンタープライズ 代表取締役
インタビュイー EO 2009

1981年3月生まれ、埼玉県川越市出身。東洋大学工学部を卒業後、ベンチャー企業を経て、2004年に大学の後輩2名とともに独立。「Win Winの関係が築ける商売を展開し、商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」を企業理念に掲げ、2006年に株式会社マーケットエンタープライズを設立し、ネット型リユース事業を展開、2015年に34歳で東証マザーズへ上場した。EOには設立3年目に入会し、理事を6回、会長を2度経験。EO Tokyo(現・セントラル)第23期の会長を務めたのち、EO Platinumの立ち上げにも携わり、3期目の会長を務めた。上場準備フォーラムや若手起業家グループ「GEO」、全国をつなぐ「EO All Japan」などを立ち上げ、自ら「場をつくる側」に回り続けてきた。現在は「持続可能な社会を実現する最適化商社」を掲げ、循環型経済の発展に挑み続けている。

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トディ
Interviewer · トディ
戸田 志穂
株式会社SKY PHILOSOPHY 代表
インタビュアー EO 2024

独自の「共感ブランディング®」メソッドを軸に、理念を起点としたコーポレートブランディングに特化したコンサルティングファームを経営。経営理念・MVVの策定からブランド戦略、採用戦略、組織における理念浸透まで一貫して伴走し、成長意欲の高い経営者とともに、企業価値向上・認知拡大・採用強化を支援している。企業が持つ本来の価値を見つけ、磨き上げ、その価値を社会へ届けることで、力強く成長する企業を数多く創出し、より良い社会の実現に貢献することを志に、経営者一人ひとりに寄り添い続けている。

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