2025年11月 Chapter Meetup レポート
GUEST: 株式会社メルカリ 取締役会長 小泉 文明 氏
2025年11月13日、EO Tokyo Central はリッツカールトン東京にてチャプターミートアップを開催し、特別ゲストとして株式会社メルカリ取締役会長・株式会社鹿島アントラーズFC代表取締役社長の小泉文明氏をお迎えしました。モデレーターは、EO Tokyo Central 第29期会長であり、株式会社エアークローゼット代表取締役社長の天沼聰氏。
スタートアップの急成長、資金調達、そして「生きているだけで丸儲け」のマインドに至るまで、起業家に突き刺さる言葉が次々と飛び出したセッションとなりました。

開催概要
日時:2025年11月13日
会場:リッツカールトン東京
特別ゲスト:小泉 文明 氏
株式会社メルカリ 取締役会長
株式会社鹿島アントラーズFC 代表取締役社長
モデレーター:天沼 聰 氏(株式会社エアークローゼット代表取締役社長/EO Tokyo Central 第29期会長)
印象的だった3つのメッセージ
1. 六本木のシェアオフィスから生まれたミッション・ビジョン・バリュー
メルカリのミッション・ビジョン・バリューは、六本木のシェアオフィスでの仕事を終えたあと、ホテルにこもって言葉をひたすら書き出すところから始まったそうです。
「人が覚えられる数には限界がある」と考え、バリューはあえて絞り込み、現場で使われるまで何度も磨き込んだとのこと。
社員数が約800名になるまでは、毎週全員が一箇所に集まり、経営陣が事業の話をする際には必ずミッション・ビジョン・バリューに紐づけて語ることを徹底していたというエピソードも共有されました。

2. 恐怖心がないなら、それはまだ大胆に攻めていない
資金調達と意思決定の話では、会場の空気が一段と引き締まりました。
VC に約100パターンの資料が出回り、そのうち50社以上に断られたものの、最終的には約15億円を調達。その中の約5億円を、わずか2週間でテレビCMなどのマーケティングに投下したそうです。
「5億円の勝負を3回やれば、1回は当たるだろう」という前提でリスクを取りにいった小泉氏は、次のように語りました。
「恐怖心がないと人も会社も成長しない。
怖くない意思決定しかしていないなら、それはまだ大胆に攻め切れていないということ。」
“守りに入りがちな局面で、どこまで踏み込めるか”。この問いは、成長フェーズにあるEOメンバーにとって、非常にリアルなテーマとして響いていました。
3. 「生きているだけで丸儲け」だからこそ、チャレンジできる
講演の中盤では、仕事とは少し異なる、しかし意思決定の根っこにつながるテーマが語られました。
学生時代から身近な人を何度も亡くし、mixi 時代にも信頼していた部下を病気で失った経験から、「生きているだけで丸儲け」という感覚が強くなったといいます。
「明日どうなるかなんて誰にもわからない。だから、やりたいことは先送りせずにやる。」
この背景があるからこそ、大きな金額を動かす勝負や、スポーツクラブ経営といった新しいフィールドにも飛び込んでいける、と静かな口調で語られたのが印象的でした。

EOで得られる「経営者同士だから話せる学び」
今回のチャプターミートアップは、
- ミッション・ビジョン・バリューを現場に浸透させる具体的な方法
- 恐怖心と向き合いながら、大胆な投資や意思決定を行うスタンス
- 個人としての「生き方」が、経営の判断軸にどう直結するのか
といった、書籍には載らないリアルな学び(TAV: Take away value)にあふれた時間となりました。
EO Tokyo Central では、このようなトップ経営者を招いた学びの場や、メンバー同士が本音で語り合うフォーラムを通じて、起業家の成長と事業の進化を後押ししています。
EOでの活動や入会をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。